平和構築と青少年育成2017/12/03 12:01

先週末から今年5度目のモルジブ出張に行っていたのですが、帰って来た翌日、今度は北中部のアヌラダプラで若者対象のシンポジウムの最終日に参加してきました。

国連人口基金で主に知られているのは、妊産婦の健康を含めた性と生殖に関する健康に関わる事業ですが、これに関連して性教育や青少年育成全般に関する仕事もやっています。スリランカではこれを平和構築と繋げたプロジェクトをやっていて、今回のアヌラダプラのシンポジウムは、全国各地で5つ計画しているシンポジウムの第一弾でした。

シンポジウムでは、国連人口基金がサポートしてきた北部州の青少年政策の草案を議論したり、参加者がグループで自分たちのコミュニティーの社会問題を解決するためのプロジェクトを作成したりしました。これは平和構築のプロジェクトではあるのですが、内戦の被害を最も被った地域のひとつである北部では「平和構築」という言葉時代がネガティブな響きを持っているというので、敢えてこの言葉を使わず、コミュニティーレベルでの活動に焦点をあてた内容にしました。私は4日目の最終日に参加したので、きっとみんな疲れているんじゃないかと思いきや、さすが若者、みんな元気!100人以上が、飽きることもなく、熱心にグループでの議論に参加していました。

このシンポジウムの計画段階で私が心配していたのは、女性参加率。スリランカでは、結婚前の女性が泊りがけの旅行に出るというのはセキュリティーや慣習の面でなかなか難しく、これまでやってきたミーティングでも、ドタキャンする女性が非常に多かったのです。でも今回は4割以上を女性参加者が占めたので、大成功でした。もちろん、5割になるべきですけど。

次回のシンポジウムは東部で来年1・2月頃。今回はほぼタミル語が使われましたが、東部は北部より多様な民族が住んでいるので、3ヶ国語(シンハラ・タミル・英語)での議論になりそうです。これも楽しみです。