デザイナー・バザー2013/04/28 18:47

今日は1年に2度のイベント、デザイナー・バザーに行ってきました。アディスではショッピングの楽しみというのは、ほとんどない(物不足なので、1つの物を探しまわることが多い)のですが、このバザーだけは、私はとても楽しみにしています。これとは別にNGOバザーというのが月1回あるのですが、それと比べて売りに出されている品物の質が断然いいと思います。エチオピア産の様々な品々(スカーフ、アクセサリー、鞄、絵、籐製品、等々)が売られていて、食べ物の屋台も出ます。

これでこのバザーに行くのも4回目だったので、今回は少し控えめに。以前は手持ちのキャッシュがなくなってしまい、友達に借りたりもしたのですが、今日はそんなに沢山買いませんでした。今回特に買えて嬉しかったのは、写真でジュリウスが持っている大きなロウソク。最近、ヨガや瞑想に興味を持ち出したピーターと一緒に、ヨガ&瞑想ルームをつくろう、と話しているので、そこで使おうという訳です。いろいろな香りのがあって、迷いました!それから、前回買い損ねた、ジンジャーのフレーバー付きの蜂蜜も買いました。前回は、蜂蜜の瓶、重いしなあ、と思って最後に買おうと思っていたら、ジンジャーのは売り切れてしまっていたのです。今日、お店の人が私が前回買い損ねたのを覚えていたのがびっくりでした…。よっぽど残念そうだったんでしょうか。ジュリウスは、お小遣いで私にかわいいイヤリングを買ってくれました。以前来た時は、彼はビーズでつくられた動物とか虫に興味を示していたんですが、今回はそういうのには全く興味なし。やっぱ成長したってことでしょうか…。

今回残念だったのは、ジャーマン・ビアガーデンが屋台をやっていなかったこと。ジュリはここのホットドックを楽しみにしていたんですけどね…。仕方がないので、BBQチキンを食べました。また半年後のバザーが楽しみです!

最近のジュリウス:宿題2013/04/13 21:42

ジュリウスの通っている学校では、毎日の宿題(読書30分と算数)に加えて、毎月何かリサーチをするというのがあります。先月は、エチオピアの田舎での暮らしを知っている人へインタビューをするというもので、私の部下の1人でエチオピア南部出身の人に、ジュリがインタビューをしました。今月は、自分の出身国の著名人についてのリサーチで、ジュリは宮崎駿を選び、今日は数時間かけて、パワーポイントをつくっていました。

こういう月単位での宿題というのは、面白い課題が多くていいとは思うのですが、結構大変なのは、親が手伝わないといけない部分が多いということです。先月のインタビューはピーターが録画したのですが、これを15分から7分ぐらいまで編集しなくてはならなかったので、かなり大変だったみたいです。今月は私、インターネットで宮崎駿のことを調べるのを手伝ったり、必要な写真を探したり、パワーポイントの使い方を教えたり…。

それでも、ジュリは興味を持ったことにはとことん取り組むので、見ていて嬉しいです。今日も、とりあえず最初の数枚のスライドをつくって、あとは明日やればいいでしょう、と思っていたら、自分からもっといろいろ加えたいと…。最終的には11枚のスライドをつくりました!こういう好奇心と独創性を大切にするような宿題、私の小学生時代にはほとんどなかった気がします…。

最近のジュリウス:ミニ手術2013/02/01 19:16

本当にあっという間に1月が終わってしまいました。日本から戻って来てから、すぐに国連事務総長がアディスに来るというのでその準備等に追われ、バタバタとしていました。書きたいことはいろいろあったのですが…。

先週は、うちのドライバーが身内に不幸があったということで、4日間お休みだったのですが、そういう時にかぎって、大変なことが起こりました。ジュリがプールで転んであごをかなり深く切っちゃったのです。私の職場の近くのシェラトンにいたピーターから電話があった時、とりあえず思いつくのは国連のクリニックだったので、急いで自分で運転してピーターとジュリをピック・アップして、職場のクリニックへ連れて行きました。

もう6時頃だったからか小児科の先生はおらず、とりあえず誰でもいいから、とお願いしたのですが、担当になった先生と看護婦はもう笑うしかないほど手際が悪くって、びっくりでした。1カ所だけ縫おう、と決めたところまではよかったのですが、いよいよ処置室に入ったら、手袋を意味もなく何度も取り替えたり、ゴミ箱を足でけって部屋の隅から別の隅へ動かしたり…。オロオロとしていて、本当にこの人たち、皮膚を縫うのとか、やったことあるのか?という感じ。ジュリは最初は「スティッチって何?」とかって無邪気だったのですが、針が出て来たころから怯えだし、縫ってる時はすごい泣き叫びました。私はただでさえこういうのだめなので、ジュリと一緒になって泣きたいぐらい。もういてもたってもいられなくて、途中からピーターに「部屋の外に出てて」と言われてしまいました。

1つ目が終わって、先生はもう1カ所縫った方が良さそうだ、と言ったのですが、ジュリが「絶対にいやだー!」って言うので、そこでやめにしました。最初から1カ所しか縫わないつもりだったら、ちゃんと真ん中にすればよかったのに…。とにかく、これ以上ジュリを恐怖にさらすのもかわいそうすぎるので、私はこれで終わりにすることにして、ほっとしました。あごの裏側なので、多少傷が残っても、そんなに目立たないし…。

しかし、3センチぐらいの傷なんだけど、本当に縫わないといけなかったのか?と今でもちょっと疑問。同僚の奥さんにお医者さんがいるのですが、彼女は後から「私に電話してくれれば、皮膚用の糊を持ってたから、それで処置できたのに」と言ってました…。とにかく、処置後の部屋には、意味もなく(?)血のついたガーゼが散乱していて、うーん、日本だったらこんながさつなことにはならないのでは、と思わずにいられませんでした。彼らなりにベストは尽くしてくれたのでしょうけど、またこういうことがあったら、国連のクリニックにはいかないと思います…。幸い、傷は順調になおってきているようなので、ほっとしています。

新ビジネスのアイデア2012/12/16 09:08

アディスに住んでいると、どうしてこういうビジネスをやってないんだろう?と思うことがよくあります。インターネットのプロバイダー(政府系の会社、エチオ・テレコムの独占です)が1つしかないとか、そういう明らかなのはおいといても、起業家精神がある人がいたらありそうなビジネス…。

そのうちの1つが、駐車場。前にも書きましたが、アディスでは、建設中又は新しくできた大きなビルのほとんどに駐車場がありません。このおかげで、皆が路上駐車するので、ひどい交通渋滞がさらにひどくなっています。駐車場をつくってお金をとればいい、ということを考えつかないのでしょうか?うちの職場の近くには、大きなビルが密接していくつも立っている地区があるのですが、このビルが全部完成したら、職場付近の駐車場不足は深刻になると思います。その時のことを誰も何も考えていないのか…。ここでは「そんなの常識だろう!」と思うようなことを誰も考えないというのはよくあることですが…。

もう1つ、よく思うのが、なぜエチオピアはジュースを自国でつくらないのだろう、ということ。エチオピアには果物はかなり抱負にあり、カフェでも美味しいフレッシュ・ジュースが飲めるのですが、スーパーで売っているパックに入っているジュースはすべて南アフリカやトルコ等からの輸入品。輸入品なので、安くはありません。どこかにジュースをつくる工場をつくったら、儲かるんじゃないかと思うんですけど…。地元の人の職をつくることにもなるし。

それから、家や建物の修繕業。今は、個人で配管工等やっている人がいる程度だと思うのですが、これをもっとプロフェッショナルにやる会社があったら儲かると思います。というのも、私が見ている限りでは、エチオピアには建物をメインテナンスするという感覚がないようで、新しく建てたホテル等も全くメインテナンスをされないままに朽ちていきます。私たちが住んでいる家も、一部壁に水漏れしているのか、ペンキがぶくぶくっとふくれて、はがれてきている所があるのですが、大家さんに何度言っても治そうとしている気配がありません。もう4ヶ月以上言い続けているのですが…。それから、4つあるトイレのうちの2つが壊れていて、これもほったらかしです。減価償却なんて考え方ももちろんないでしょうし…。

こういう経済活動の「ギャップ」みたいなのも、エチオピアが急激な成長をとげている状態では、あるのが当然なのかもしれませんが、外国人の目から見ると、不思議なことが多いです。

最近のジュリウス:乗馬2012/10/26 14:17

ジュリウスが夏にオーストリアで本格的に始めた乗馬。アディスに戻ってからも続けたかったのですが、戻ってから1ヶ月半は雨期だったので、できませんでした。今週は学校がお休みなので、ピーターが思い立って、乗馬のクラスを再開。幸い、家から車で5分ぐらいのところに乗馬スクールがあるのです。

オーストリアでは必ず先生が持ったひもに繋がった状態で乗っていたのですが、昨日からは、ジュリは途中から先生のひもなしで、つまり自分で馬をコントロールする感じで乗っていました。すごい!乗っている時もかなりリラックスした感じです。オーストリアでは1レッスンは30分だったのですが、ここでは1時間。それでも、いやがらずに乗っているのですけど、やっぱり1時間乗った後は相当疲れるみたい。ちなみにお値段は、オーストリアでは30分で12.5ユーロ(だったと思う)のところが、ここでは1時間で約7ユーロ。安い…。

この乗馬スクールは実はインターナショナル・スクールに通っている子供たちの間ではかなり人気で、学校が2時に終わる水曜日には、かなりの数の子供が来ていて、予約なしで来ても乗れないぐらいだそうです。今日もジュリのクラスが終わる頃には5・6人の子供が来ていましたが、皆初心者ではないな、という感じで、自分用のヘルメットやベストやブーツで、慣れた様子で乗っていました。ジュリにも今度ヘルメットぐらいは買ってあげようかなあ、と思っていますが…。

ジュリはサッカーやテニス等、他の子供たちがやっているスポーツをやりたがらないので、乗馬はぜひ続けて欲しい!と思っています。

アディスの交通事情2012/10/20 21:57

毎日車で通勤していて、運転手さんを雇っているので、自分で運転することは少ないものの、アディスの交通事情はここで暮らすことを難しくしていることの1つだと常々思っていました。なので、何が怖いのか、書いてみようと思いました。

まず、運転していて一番怖いのは歩行者です。ここでは交通ルールについての教育というのは皆無のようで、歩行者は右も左も見ず、突然、横断歩道でも何でもないところで道路に飛び出してきます。人が渡るのを遮断するために、道路の脇や真ん中に高い柵や塀がある所なんかでも、平気でその柵や塀を乗り越えて渡ってきます。これは相当怖いです。「右見て、左見て、もう一度右見てから渡る」と日本では教えられた気がしますが、こういうことって、やっぱり誰にも教えられないと自分で身に付かないものなんだ、と改めて思わされます。

次に怖いのは、当然のようですが、運転している人々も交通ルールを知らないこと。エチオピアでは運転免許を買える、と聞いたこともありますが、本当に皆ルールを知らないです。特に怖いのがラウンド・アバウト。日本にはあまりないラウンド・アバウトですが、アディスには沢山あります。ラウンド・アバウトの中に入っている車が優先(外にいる車は、十分な隙間ができるまで待つ)というのがルールなのですが、ここでは外にいる車が平気でグングンとラウンド・アバウトの中にせり出して来るのです。これは自分が運転している時はかなりむかつきます。私はいつもクラクションを思いっきり鳴らしてこういう無知な車を威嚇しつつ、思いっきり迷惑そうに睨みつけていますが、彼らはきっとルールを知らないから、何とも思っていないんでしょう…。それから、右側から抜かす車が多いのも最初はかなり怖かったです。でも、これも遅い車がちゃんと右車線に移動してくれないので、仕方ないんですね。最近は私も平気で右側から抜かしていますけど…。

他の車の中でも、一番気をつけないといけないのが、ミニバスです。アディスでは、ミニバスが地元の人の公共交通手段として沢山走っていますが、彼らの運転は本当に怖いです。どこでも突然止まるし、停まっているところから突然無理矢理道路にせりだしてきます。このミニバスの停留所みたいになっている道路では相当気をつけて運転しないといけません。(バス・ターミナルみたいなのをつくるべきだと思うのですが、あちこちの道路上に大量にミニバスがいる地区というのがあります。当然こういう地区はすごい交通渋滞。)

さらに怖いのが、信号がほとんどない又はあっても見えないこと。片側6車線あるメスカル・スクエアというアディスで1番大きな広場にある信号なんて、どう考えても遠くからは見えません。なので、車があらゆる方向から一度に広場をつっきってきます。これも最初は相当怖かったですが、だいぶ慣れました。このメスカル・スクエアを横断する時には、道路に突然あいている大きな穴にも気をつけないといけません…。

これらに加えて、今、アディスでは電車の線路をひく工事というのが行われていて(中国資本です)そのおかげでいくつかメインの道路が閉鎖されているらしく、交通渋滞が以前にもましてひどくなりました。私の家から職場までは、渋滞がなければ車で15分弱ぐらいの距離なのですが、毎日だいたい30分はかかります。都市計画がちゃんとされていないと、こうなっちゃうのね…というよい例かもしれません。アディスには建設中のビルが沢山ありますが、どこも駐車場をつくる、という計画がないみたいなのがびっくりです。これだとこれらのビルの建設が終わると、ビルに来る人は当然道路に駐車することになり、さらに交通渋滞がひどくなると思うんですけど…。だれもそこまでは考えないみたいです。

こんなアディスの交通事情、10年後ぐらいにはがらっと変わっているんでしょうか…。

のんびりの週末。2012/10/14 17:35

また久々のブログになってしまいましたが、週末の様子をご報告。まず、土曜日の朝には、アディスで2度目、美容院に行ってきました。前回行った時のことは、このブログに書きましたが、あまりよい経験ではありませんでした。今回は、アディスでは比較的新しくできた、値段ではシェラトンと同レベルというホテル「ラディソン・ブルー」の中のサロンに行ってきました。これが、なかなかよかったです!途中、停電があってブローができなくなったりはしましたが、美容師さんは丁寧に切ってくれて、まあまあ満足。しかも、高級ホテル内にも関わらず、シャンプー・カット・ブローでお値段はなんと650円…。申し訳ないぐらいです。

このサロンで、いつも仲良くして頂いているアディスのWHO事務所で働いているA子さんと会って、ジュリの学校であった「フォール・ハーベスト」というイベントに行ってきました。これは、去年あったハロウィーン・パーティーに「ハロウィーンはアメリカの行事だから、インターナショナル・スクールでお祝いするべきでない」とけちをつけた人がいたから、というので、ハロウィーンに関係ないフェスティバルということだったのですが、去年のハロウィーン ・パーティーに比べると全然大したことなかったです。ジュリは綿飴(写真)を食べてご満悦でしたが。ちなみに、このイベントが決まってから、今度は「ハロウィーンをやらないなんて!」という親からの文句があったとかで、結局11月初めにハロウィーン・パーティーもやることになったんですけどね。よくわからん…。

この後皆で家へ帰り、A子さんとお茶とお菓子でまったりしてから、夕食は近くのコリアンへ。A子さんにはお泊まりに来て頂いたので、夕食の後もワインを飲みながらおしゃべり。A子さんが、突然、宮崎駿の映画が見たい!と言い出すので、ジュリも一緒に「ポニョ」を見たりもして、楽しい一晩でした。

今朝は、A子さんが持って来てくれた海藻サラダをはじめ、チャーハン、サラダ等でブランチをして、これまた幸せでした…。なんか日本人女の子友達といると、本当に和めます。ジュリもA子さんを気に入ったみたいで、「もっと長くいて欲しい…」とつぶやいていました。とにかくも、のんびりできたいい週末でした!アディスのほれぼれするような快晴のおかげで、気分もよかったです。

鳥の声、木の実。2012/09/29 12:27

新しい家に引っ越して、変わったことのうちの一つ。前の家は大きな道路の近くで、周りに緑もあまりなかったのですが、今はかなり奥まった所で、裏には林があります。それで、だいぶ自然の中で暮らしているという感じがするようになりました。

まず気がついたのが、鳥の声がすごくよく聞こえるということ。なかでも、夜から明け方によく鳴いている鳥がいて、ずっと何と言う鳥だろう、と思っていました。ピーターはモッキング・バードだと思う、と言っていたのですが、私がインターネットで調べてみると、モッキング・バードはエチオピアには生息していないはず。さらに、録音した鳥の声を沢山載せているウェッブサイトで、アディスで録音された鳥の声で検索して、アビシニアン・ナイトジャーという鳥だとわかりました。「アビシニア」というのは、エチオピア帝国の古い名前です。興味のある方は、このウェブサイトで声を聞いてみて下さい。かなり奇麗な鳴き声だと思うんですけど。http://www.xeno-canto.org/species/Caprimulgus-poliocephalus

元々、エチオピアは絶滅の危機にある鳥が沢山いるので、バードウォッチャーたちの間では有名だそうです。そういえば、家の周りでも変わった姿の鳥をよく見かけます。

それから、最近、家の裏側にある林に面したテラスに、写真のような実が沢山落ちているのに気がつきました。最初は古いねじか何かかと思ってびっくりしたのですが、これも調べてみるとユーカリの実だということがわかりました。面白い形でしょう?ユーカリの木も、アディスの植生の特徴の一つで、19世紀の皇帝メネリク2世の時代に外国から持ち込まれて以来、アディスにはなくてはならない木になったそうです。アディスの建設現場で足場に使われているのもユーカリの木だと思います。細いけど、かなり丈夫みたいです。

エチオピアにはいわゆる四季はありませんが、それでも季節の移り変わりはもちろんある訳で、これからも家の周りの環境に気をつけて、何か新しい発見がないか注意してみようと思います。ちなみに2・3日前、6月から4ヶ月続いた雨期がやっと明けて、快晴の日が続くようになりました。エチオピアの雨期は、雨が降るだけでなく、舗装されていない道路が多いために道がドロドロになるので、超憂鬱だったので、ほっとしました。お天気がいいだけで、気分が全然違う!と今更ながらに毎朝嬉しくなってしまいます。これからしばらくはかなり肌寒い日が続くのですが、年末に近づくにつれ、少しづつ暖かくなってゆくはずだと思います。

最近読んだ本:"Cutting for Stone" by Abraham Verghese2012/09/26 22:30

私は小説を通していろいろな国の歴史や文化を学ぶのが好きで、エチオピアに関する小説も少しづつ読んでいるのですが、これはその一つ。一応、ほとんどの舞台はエチオピアですが、その他の国での場面もあり、世界中をまたにかけた壮大な大河ドラマという感じです。映画にしたらよさそう…。

これから読みたい人のためにあまり筋を書かないでおきたいのですが、簡単に言えば、インドから移住して来たドクターとナースの、エチオピア生まれの双子の兄弟がメインのキャラクターです。彼らが生まれる前の話から、成長していく過程でのドラマが見事に展開していきます。著者はエチオピア生まれのインド系アメリカ人で、スタンフォード大学医学部の教授なので、自叙伝っぽい部分もあるのでしょう。700ページ近くある大著なので、読むのには時間がかかりましたが、読んでいる時はものすごくひきつけられて、それぞれの登場人物が自分の家族や知り合いかのような感じまで持ちました。アディスが主な舞台なので、今のアディスの姿と重ねて読めるところもあったからかもしれませんが…。それと、エチオピア人の血は全く入っていないものの、エチオピアを祖国とする双子の生き方というのも、外国人としてここに住む自分たち、特に幼少時代をここで過ごしているジュリの姿と重ねて考えさせられるところがありました。

エチオピアに特に関心がなくても、物語として面白く読める本だと思います。特に、さすがお医者さんが書いているだけあって、病院の様子、手術室でのやりとり、病気の描写などは、素人じゃないんだろうなあ、と思わされます。医学用語はよくわからない部分もありましたが…。

エチオピアのカルチャーは日本とよく似ていると言われますが、確かにこの本は、日本人にもとっても受けると思います。どちらかというと辛いことの方が多いような人生の中で、小さな明るい光を見つけて、強く生きて行く、という登場人物の様子には、多くの日本人が同感するような気がします。邦訳がまだ出ていないようなのが残念!でも英語でも読みやすいです。今年おすすめの1冊です。

ゴンダール&バハダールへの旅(その2)2012/09/21 21:03

さて翌日もかなり早起きして、今度は陸路、バハダールへ向かいました。バハダールはタナ湖の沿岸にある町で、アムハラ州の州都です。ゴンダールからバハダールは車で3時間なのですが、エチオピアとは思えないコンディションのいい道路で、快適でした。雨期で緑が一杯のルートは気持ちがよかったです。

バハダールに着くと、ゴンダールと比べて暖かい!標高がだいぶ下がったからでしょう。まずは湖のほとりのホテルで荷物を降ろし、ガイドさんに会って、そこから1時間ほどボートで行ったところにある古い教会へ行きました。タナ湖はエチオピアでは最大の湖で、長さ84キロ、幅66キロもあります。ここから青ナイルが始まるというので有名です。タナ湖には37の島があり、全部で29あるという古い修道院を訪ねられるようになっているのですが、私たちが行ったのは、島ではなく、湖に突き出た半島にある修道院でした。ゴンダールで見た教会と似た感じで、中には沢山の宗教画がありました。エチオピアの宗教画はどこに行っても同じような感じですが、ぱちっと目を見開いた、無表情なアフロヘアの聖人たちは、何度見てもなんだか不思議な感じがします。教会へ続く道には、沢山のお土産屋さんがあり、私はジュリにと思って葦でつくった小さな飾りのボートを買いました。

修道院を見終わって、またボートに乗って、荷物を置いておいたホテルに戻ってそこでランチを食べてから、今度は30キロほど南下したところにある青ナイルの滝を見に行きました。途中から、必ず一緒に行かなくてはいけないという別のガイドさんが加わり、ガイド2人になり、バスを降りてから、ぬかるみのある道をだいぶ歩きました。ここはゴンダールよりもさらに気温が高く、暑いくらいでした。汗をかきながら、まだ着かないのかー、と思い始めた頃、滝が見えてきました!この滝(写真)は、近くにダムがつくられてから水量がぐんと減って、あまり大したことない、と聞いていたのですが、やっぱりすごい迫力でした。雨期だからか、水はものすごい茶色の泥水でしたが…。

沢山写真を撮ってから、またバハダールの町に戻り、ヤシの木が並ぶ大通りの側のカフェで一休み。ガイドさんも一緒に休憩しましたが、彼はなんだかもう帰りたいみたいな感じでした。早くバハダールを出て、世界を旅したいんだ、というような話をしてくれました。その後、ちょっと早めに空港に行きましたが、この空港、こんなのしかないのか?というようなかなり粗末な建物で、ゴンダールの空港が今になると超近代的に感じられるほど…。夜の便だったので、9時過ぎぐらいにアディスに着きました。

1泊2日でもずいぶんいろいろ見られた満足できる旅でした。Nさんともまるで旧知の友達のように楽しく旅行できてよかったです。彼女と、ジンバブエとエチオピアを比較していろいろと話していたのですが、一番大きな違いは、植民地化の有無だという結論に至りました。誤解を恐れずに言えば、ジンバブエはイギリス領だった間に、インフラ等が整備され、エリート層の教育もされ、アフタヌーンティー等の伝統も伝えられ、近代国家への足がかりがつくられた点は否めないと思います。しばらくイタリアに占拠されたことがあったとはいえ、「植民地化」とまではされなかったエチオピアは、やっぱりいろいろな面で近代化への道のりは遠いです。こんなのってやっぱ外国人の考えることなのかなあ、と思いきや、知り合いのエチオピア人にこの話をしたところ、「当たり前だよ!エチオピアが植民地化されていたら今よりもっとましだった」と言わて、ちょっとびっくりしました。

ジンバブエも自然がとても奇麗で、見所が多い国だと聞いたので、ぜひNさんを訪ねて行ってみたい!と思いました。Nさん、楽しい旅をありがとうございました!