久々の「途上国イタリア」2008/01/10 20:26

トリノに引っ越して来たばかりの時、イタリアってほんとに先進国なのか?と驚くようなことが沢山あり、カルチャーショックを受けていましたが、最近はさすがにイタリア暮らしにも慣れたなあ、と思っていた矢先、またやられました。今度はインターネットのプロバイダーについてです。

昨年11月、ピーターはインターネットのプロバイダーをファースト・ウェッブからテレコム・イタリアに変えたいと言い出しました。私はテレコムの悪い評判を沢山聞いていたし、プロバイダーを変えるというような「複雑な」ことがこの国でうまくいくとは信じられなかったので、反対しました。でも、ピーターは値段が安いのとスピードが速い(はず)という理由で、英語の話せるセールスマンが家を訪問した時に契約書にサインしました。その時は、テレコムがファースト・ウェッブに連絡を取った後、ファースト・ウェッブが家に電話をし、本当にプロバイダーを変えたいのか聞くので、それに合意した時からテレコムにスイッチする、という話でした。これが11月24日の話。

その後、どちらの会社からも何の音沙汰もなく、12月にはしっかり口座からファースト・ウェッブに2ヶ月分の料金を引き落とされ、何事もなかったように日々が過ぎて行きました。そして突然1月4日の真夜中頃、我が家の電話とインターネットのコネクションがなくなりました。

週末、ピーターはファースト・ウェッブに携帯から何度も電話してみたのですが、カスタマー・サービスはすべて録音された自動システムにしかつながらず、「電話番号を入力して下さい」(もちろんすべてイタリア語)の後に電話番号を入力すると「あなたの記録はありません」という答えが帰ってくるのみ。テレコムに電話したところ、一応人間と話をすることはできましたが(もちろんイタリア語)私たちの契約書は記録にない、と言われるだけでした。どういうこと?

月曜日、イタリア語が話せる友達や私の職場のアシスタントさんに電話してもらいましたが、一向にらちがあきません。要するに、誰も私たちと契約したという記録を持っていないのです。これじゃあ、3年前にイタリアに来た時と同じ状況。

途方にくれた私は、職場でイタリア人の同僚に相談しました。彼曰く、イタリアではこれが普通。プロバイダーを変えるなんて「複雑な」ことをしようとしたのだから、数ヶ月インターネットがつながらない状況は覚悟しないとならない、とか…。彼は、もうファースト・ウェッブのことは忘れて、テレコムと新しい契約を結ぶことを優先した方がいいと言います。今日はもう1人別の同僚に相談したところ、彼は全く同じことをしようとして、もう2ヶ月間家ではインターネットは使えない状況が続いているそうです。そして、もう1人、同僚で同じ状況だった人で、数ヶ月間に及ぶ戦いの末、やっとインターネットがつながるようになった人がいるから、話を聞くといいと言われました。

「だから言ったでしょ」とは言いたくないけどねえ…。やっぱり少々高くてもプロバイダーを変えようとしたりしなければよかったのに…。

インターネットのプロバイダーとは全然違うレベルの話ですが、最近、南イタリアのナポリではゴミ収集のシステムが機能しておらず、街全体がごみだらけで、学校も閉鎖されているとか。私が「アフリカみたい」と言ったら、イタリア人の同僚たちは「アフリカよりひどい」と言っていました。他の友達に、インターネットがつながらないと言ったら、「水と電気があって暖房がついてるだけ、ありがたいと思え」と言われましたが、まあそういうレベルってことですね。

でも実は私は、家では仕事のメールをチェックできないので、かえってリラックスできているなあ、なんて思っています。前より本を読む時間をとれるようになったし。ご近所さんに頼んで、時々インターネットを使わせてもらっているのですが、それぐらいでちょうどいいかも、と思ったり。当分、この問題が解決することはなさそうなので、ストレス感じるだけ損、とわりきっています。なので、ブログの更新もしばらくはまとめていくつか載せるという感じになりそうです。あしからず。