オペラを見に行ってきました。2008/03/03 22:59

ひさびさのオペラ。私は前回オペラを見たのは、当時トリノ在住だった四東ファミリーにチケットを譲って頂いた時で、ほぼ1年前でした。ピーターにとっては多分2003年にNYで「ラ・ボエーム」を私と私の友達と3人で見に行って以来ではないかと思います。子供が小さいと、本当にこういう機会が少なくなります。ここ3年ぐらい映画も映画館で見たことないし。

何はともあれ、行って来ました。今回はリヒャルト・シュトラウスのドイツオペラ「サロメ」です。あらすじは結構有名なので知っている方も多いかと思いますが、サロメがヘロデ王(サロメにとっては義父)の要求に応じて、「7つのヴェールの踊り」という踊りをする代わりに、井戸に閉じ込められている予言者ヨカナーンの首をくれと言う、というのがハイライト。時代は紀元後間もない頃、という設定なのですが、今回のトリノでの公演では、時代を現代に移して、ヘロデ王の宮殿の代わりにラスベガスかなんかのような賭博場という斬新な設定でした。幕があがって、未来風な銀色の壁や大きなテレビ・スクリーン、ヨカナーンがいる井戸の代わりに大きな金庫のような扉がある、という舞台装置を見た時は、ちょっとびっくりしました。サロメも、まるでジムにでも行くかのような黒いシンプルな服だし。それでも一応、エジプト人風の衣装を着た人々もいるのですが、これはラスベガスだったら現代でもあり、ですよね。

しかし、驚きはこれだけではありませんでした。サロメが「7つのヴェールの踊り」を踊る時、本当ならサロメが1枚1枚ヴェールをはいでいく、というはずなのですが、今回の公演では、サロメは下着姿にしかならず、サロメの踊りに惑わされたおじさんたちが、素っ裸になってしまったのです。これは予想外でした。っていうか、観客には60代・70代とも思われるお年寄りも多かったのに、刺激が強すぎるのでは?まあ、強い女を表現していると言えば、そうなるけど…。そして、踊っているサロメをヘロデ王がビデオカメラで追い、その映像が大きなテレビ・スクリーンにリアルタイムで映されるのですが、その映像の合間にサブリミナル(?)みたいなかたちで女性のヌードがちらっちらっと入っていたり。この独創性はすごいわ。

そして、最後にまたえっ?と思ったのは、私はどこかで、最後にヘロデ王がサロメを殺すように命じると読んだのですが、今回の公演では、ヘロデ王は自分の妻でサロメの母のヘロディアスを殺すように命じたのです。ピーターによれば、原作では「あの女を殺せ!」なので、どちらともとれるということですが…。

いろんな意味でセンセーショナルで、消化するのに時間がかかるオペラでしたが、何しろ歌と音楽はすばらしかったです。特にサロメ役の女性は、ヨカナーンの首を手にしてからの独唱でまさに聞かせました。オペラ歌手には珍しく(?)とってもほっそりした人だったんですけど。ピーターもかなり楽しんだようで(彼は昔、劇団でオペラに出ていました)また行きたい!と言っているので、7月にシーズンが終わる前にもう1度ぐらい行けるといいなあ、と思います。しかし、家から歩いていける所にオペラハウスがあるって、贅沢ですよねえ…。トリノにいるうちにもっとオペラを楽しみたいです。