ソマリ州へ行ってきました。 ― 2013/10/20 09:12
先週は仕事で、エチオピアのソマリ州へ3泊4日で行ってきました。ソマリ州というのは、エチオピアの東部、ソマリアと国境を接している地域にあります。住民のほとんどはイスラム教徒の遊牧民で、どちらかというと文化的にはエチオピアよりもソマリア(又はアフリカというよりも中東)に近いのだろうと思います。ソマリ州に着く前は、私のイメージではとても乾燥した、砂漠に近いような土地だったのですが、行ってみたら、ちょうど雨期が終わった直後だからか、緑が沢山!州都のジジガも予想していたよりはずっと発達している感じでした。アディスにもあまりない信号機もいくつかあったし…。とはいえ、レストランの数は断然少ないし、ここに住めと言われたらかなりきついだろうなあ、と思いましたが…。
さて、今回の出張は、アディスにある国連機関の所長たちによる共同ミッションということで、国連がサポートしているプロジェクトサイトを訪問したり、州政府の高官とミーティングをしたりしました。それから、ちょうど10月18-19日が国際食料記念日のお祝いだったので(本当の記念日は10月16日なのですが、政府の希望でこの日程でイベントを行うことになりました)そのセレモニーにも参加しました。
私にとっては、なんと2年2ヶ月前にエチオピアに着任して以来、始めてのプロジェクトサイト訪問だったのです。これまで、ワークショップやミーティングで出張はしましたが、プロジェクトサイトを見る機会はなかったのです。というか、行きたいという希望は何度も出したのですが、私のボスは私を出張に行かせたがらないので、これまで実現しませんでした。行ったのは、ジジガから車で40分ぐらいのトゥルグレッドという村で、ここで学校やヘルス・センターを見学しました。ヘルス・センターでは、ポリオのワクチン接種のお手伝い(注射でなくて、口にぽとっとワクチンをたらすものです)もさせてもらいました。この村では、国連のジョイント・プログラムの活動がおこわなわれていて、それを知ってか知らずか、村人たちは大歓迎してくれました。というか、ものすごい人が私たちのいるところに押し掛けてくるので、残念ながら、政府の人や学校やヘルス・センターの関係者の話を聞くどころではなかったぐらいでした。
州政府の高官とのミーティングでは、ソマリ州のここ数年の発展についての説明があり、まだまだ貧しい州であるとはいえ、昔に比べればずいぶん発展してきたんだなあ、と思わされました。ちなみにこのミーティングには28人の参加者があったのですが、女性は私1人でした。政府側も国連側も、女性の進出という意味ではまだまだです…。
国際食料記念日のお祝いでは、ファースト・レディーがスペシャル・ゲストとして来ていて、華やかなイベントとなりました。午後には、政府が牧畜業のサポートのために建築中の検疫所の見学というのがありましたが、これはつくりかけの建物があるだけで、動物もいなくて、それほど面白いとも思えませんでした…。おかしかったのが、翌日、パネルディスカッションがあるはずの会場へ行くと、なんと政府がこの会場から椅子を全部運び出してしまったということで、会場が使えず…。政府の人はあわてて代わりの会場を探していましたが、結局そんなに急には見つからず、パネルディスカッションはキャンセルになってしまいました。このためにアディスから来た人もいたのですけど…。しかし、ジジガ駐在の国連スタッフたちは「こんなの日常茶飯事」と、驚く様子もありませんでした。空港へ向かう前に、ソマリ州の伝統的な食べ物の展示というのがあり、主に穀物でつくったおかゆのようなものや、保存食としてつくるお肉料理等の説明がありました。これはなかなか面白かったのですが、緑の野菜も魚も全くない食生活というのは、私にはちょっと無理です、と思ってしまいました。正直、日本人に生まれてよかった…、と思いました。
盛りだくさんの出張、相当疲れましたが、こうやってアディスを離れて、プロジェクトを見られるという機会は貴重です。仕事に対する気持ちを新たに、頑張ろうと思いました。
写真は、トゥルグレッドの様子。丸いドーム状のものが、伝統的なお家です。木の枝をつかって屋根を丸くするとのことです。
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