ベトナムの独立記念日。2015/09/05 22:01

今月3日はベトナムの独立記念日、しかも70周年という節目の年だったので、いろいろなイベントがありました。私は所長代理という立場上、頑張って4つのイベント全てに行ってきました!

一つ目は1日前の7月2日の早朝、ホーチミン廟へ花輪を捧げに行くというものでした。ホーチミン廟へは20年前にハノイに住んでいた時に行ったことはありましたが、最近では初めて。他の国連組織の所長や各国大使等と一緒にぞろぞろと並んで、永久保存処置がされたホーおじさんにご挨拶してきました。私の知っているベトナム人は皆、ホーチミンはこんな風に死んでからも、遺体をお墓に埋めることなく、人目にさらすことは望んでいなかったんじゃないか、と言っていましたが、本当に、そうなんじゃないかと思いました…。まあ、これはサクッと終わったのでよかったですが。

二つ目のイベントは、最近新しくできた国会のビルであった夕食会。「レセプション」と書いてあったのですが、ちゃんとした座って食べれるディナーでした(写真)。これにはピーターも一緒に行きました。こういう国会での夕食会には今年、列国議会同盟(IPU)の会合がハノイで会った時にも出席したので、私にとっては2回目でしたが、ピーターは初めて。ベトナムの大統領や首相と一緒にディナーができるというのは、例え他の何百人のゲストと一緒だったとはいえ、公園なことです。私たちはスウェーデン大使、インド大使、シンガポール大使、韓国大使等と同じテーブルで、国際色豊かでした。

三つ目はメインのイベントで、9月3日の早朝からの記念式典&パレード。朝6時に家を出て行ってきました。ホーチミン廟の前のバーディン広場が会場で、私たちは椅子ではなくて、階段のようになっているところに薄いゴザみたいなのを敷いたところに座るように指示されました。パレード自体は流石に力が入っていて、なんと3万人もの人がパレードしたというのですが、とにかく日が昇ると暑くて、お尻は痛くて、2時間半もその体勢でいるのは肉体的には拷問のようでした…。特にやっぱり軍隊の人たちの行進はすごかったです。アメリカに勝ったこの国の人たち、いつでも戦争に行けそう…。

最後は3日の夜、ハノイの郊外にある国際会議場であったミュージカルのようなショーを見に行きました。これも相当すごかったです。ものすごいプロパガンダだろうなあ、という期待を裏切らないものでした。題して「ホーチミンの時」。愛国心をそのままミュージカルにしたような演目でした。この日は夜、花火もあったのですが、ショーをやっている時だったので、私たちは見られませんでした。

プロパガンダ満載の2日間を過ごしてみて一つ思ったのは、ここまで「愛国心」を素直に表現できて、ベトナム人であることを誇りにできるのは、ある意味羨ましいなあということでした。私は日本を誇りに思う部分はもちろん沢山あるにしても、「愛国心」というと、すぐにちょっと右翼系というか、日の丸君が代を崇拝するのか、とか、そういう方向に行ってしまから、やだやだと思ってしまいます。第二次大戦でのひどい間違いがなかったら、もうちょっと素直に日本人であることを誇りにできるのになあ、と思ってしまいます。そして、ベトナム人、もちろんあなたたち、ベトナム人であることを誇りに思っていいよ!とも思いました。中国・フランス・日本・アメリカという侵略者に対し、まさに沢山の血を流して勝ち取った独立。すごいことです。すっかりプロパガンダに影響されました…!忙しかったけど、とても印象に残る独立記念日でした。

ジュリの中学校生活2015/09/06 10:27

先月、ジュリは割とスムースに中学1年生を始められましたが、私たち親は中学校ってどんな風なのかよくわからず。それで、先週木曜日の夜、説明会があったので行ってきました。

前にも書いたと思いますが、ジュリの学校はインターナショナルバカロレア(IB)と呼ばれるプログラムを実施していて、中学校の授業はMYPと呼ばれます。小学校との大きな違いは、いわゆるホームルームの時間は少なく、生徒たちは科目ごとに違うクラス・違う先生と過ごすことになります。つまり、担任の先生と過ごす時間がかなり少なくなるということです。生徒たちの生活を親にも経験してもらうという意味もあり、私たちも2時間半かけて、8つのクラスを周るように言われ、各教科の先生と会うことができました。

ジュリの担任の先生は男の先生で、数学の先生でもあります。ジュリの学校も4年目ぐらいで、ベテランという感じでした。いろいろな教科を巡って、面白い(日本と違う!)と思ったのは、知識を吸収するということに関する比重が低いということです。それぞれの教科は、4つの指標を使って生徒の進歩の度合いを測るのですが、「知識を身につける」というのは4つのうちの1つでしかありません。例えば、日本でいう社会科の授業では、知識を身につける、自分で調査・研究する、学んだことをうまく他の人に伝える、物事を批判的に考える、の4つが評価の指標です。私が受けた日本の教育では、知識さえ身につけていたらそれだけで成績はよかった気がします…。物事を批判的に考えることなんて、中学はおろか、大学に入るまで教えられませんでした。

それから、インターネットを最大限に活用したカリキュラムになっているのもすごいと思いました。生徒たちはハイク(日本の俳句と関係あるのかわかりません)と呼ばれるウェッブサイトにログインして、それぞれの教科のページへ行って、宿題を見つけたり、課題を与えられたりします。このサイトには親もログインできるようになるらしく、子供達がどんなことを勉強しているのかがわかるようになります。生徒たちはもちろん自分用のメールアドレスも持っていて…。私の時代とは随分違います。

ひとつ私たちが愕然としたのは、ジュリは英語のレベル別クラスで、他の英語を母国語とする子供達と同じクラスになれなかったこと…。確かに彼の英語を書く力は親からみてもひどいのですが、彼の英語のクラスの子供達は、みんな英語以外の言葉が母国語みたいだったのです…。がっくし。家に帰ってからジュリに、他の英語が母国語の子と一緒のクラスになりたくないの?と聞いたら、「ママとパパがそうしてほしいなら、そうできるように頑張る」と…。またまたがっくし。彼には勉強に対する一般的なモチベーションというのがほとんどないのです。興味があるトピックだと相当頑張ってリサーチしたりするのですが、そうでないと「めんどくさい」という感じ。自慢するわけではないですが、私は学校では優等生だったし、宿題なんていつも出たその日に終わらせる感じだったので(なんでもギリギリになってやるのが嫌いなので)どうして彼がこうなのか理解するのが大変…。

ジュリは引き続きバイオリンと声楽の課外授業に加え、オーケストラにも入ることにして、プラス月曜日はテニス、土曜日はサッカーと忙しい日々です。さて、どんな中学生の1年になるでしょうか。