国連ハウス2015/06/27 16:43

以前にちらっと書きましたが、国連ハウスがやっと完成し、私たちのオフィスも今月初めに入居しました。この国連ハウスは「エコ」なビルであるということと(消費電力等の面で優れているそうです)中では国連機関が機関ごとではなく、テーマごとに座る(例えば、気候変動や環境に関する仕事をしている人は所属機関に関わりなく同じフロアに座る)というので、ユニークな試みとして国連内で注目されてきました。しかし、この話が出てから建設(まだ一部終わってない)まで10年近くが経過し、この間、財政面も含めいろいろな困難があり、こんなに大変なプロジェクトになるとは誰も思わなかったでしょう…。

ビル内部では、ほとんどがオープンスペースと呼ばれる個室なしのデザインなのですが(日本ではこれが普通ですよね…)私は副所長(今は所長代理ですが)なので個室が頂けるということでした。ところが、引越してみてわかったのが、私の部屋を含めた一部の個室には、ほぼエアコンがなしの状態なのです…。どうやら空調のシステムに問題があるようで。ハノイの暑さでは、エアコンなしではとてもではないですが働けないので、最初の数日は会議がない日は家に帰って仕事をしたりしていました。

その後、結局空調が治るまでには数ヶ月かかると言われ、部屋を移動するように言われました。またいろいろと交渉の末(他にも部屋を移りたい人が何人かいたので)私はUN WOMENの所長さん(日本人女性です!)とUNAIDSの所長さん(これも女性)の間の部屋へ移りました。この部屋は、前より全然涼しく、しかも他の2人の所長さんと一緒にランチを食べに行ったり、なんだか女子会ののりで、すごく楽しいのですー。ここに引っ越す前は、国連人口基金は他の機関とオフィスをシェアしていなかったので、こんな風に他の機関の人たちと交流できるのは嬉しいです。それがまさに、国連ハウスの醍醐味であるわけですが。全部で12機関が入居しています。(3機関、様々な理由で入居していない国連機関もハノイにあります。)

しかしそれぞれ独自のカルチャーがある12の国連機関が同じビルに入り、一緒に何かやっていこうとするというのは、大変なことです。特にビルの管理者がいて私たちがテナントというわけではないので、何から何まで自分たちで決めなくてはいけません。例えば、タバコに関する規定についても、いろいろな議論がありました。WHOを初め、保健に関する機関はノー・スモーキング・ポリシーを持っており、当然それを推し進めたいのですが、他の機関は、敷地内全禁煙にすると、門の前でたむろして喫煙するスタッフが出てくると国連のイメージが悪い、と。結局、とりあえずは敷地内全禁煙にして、様子を見ることで落ち着きましたが、一事が万事こんな感じでは、本当に時間がかかります。

このビルのサービス面でのマネージャーである国連職員に「あなた本当に大変な仕事してるよね。普通なら当然常識でしょう、と思えるようなことが実はいろんな人にとって常識じゃなかった、ということの発見の繰り返しじゃない?」と言ったところ「まさにそれ!でも、それが面白いんだよ!まさかと思うようなとこで反対意見が出てくるから!」と言っていました。相当忍耐強くないと彼の仕事はできないと思います…。

まだカフェテリアは完成していないし、いろんな面で不備があるビルではありますが、こんなにいろんな機関が同居しているという強みを生かして、これから面白いことを沢山やっていけたらいいなと思います。

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