ひとりの週末!2007/01/15 04:19

この週末はピーターがジュリウスを連れて、ミュンヘンにいるピーターのお母さんを訪ねに行ったので、私は一人で週末を過ごすことができました。一人で週末を過ごすなんて、ジュリウスが生まれてから初めてなので、いろいろやりたいことを考えたのですが、結局週末になってみるとせっかくだからアパートでのんびり過ごそうという気持ちになり、とにかくよく寝て、本を読んで過ごしました。ただ単に自分だけの時間をたっぷり持つというだけのことが、とっても贅沢に感じられ、すごーい充電した気分になれました。日曜日の夜になるまでには既にジュリに会いたいなーと寂しくなりましたが…。

一方、2人はミュンヘンで忙しいながらも楽しい週末を過ごせたようです。日曜日はピーターのお母さんの誕生日だったので、来客が多く、ジュリウスは大興奮だったようです。ジュリにとっては彼女に会うのは2005年の9月に続いて2回目でした。

"Leadership and Self-Deception" by The Arbinger Institute2007/01/17 22:34

職業柄、リーダーシップやチームビルディングなどについての本を読むことが多いのですが、これは全米ベストセラーというので読んでみました。「自分の小さな『箱』から脱出する方法」という邦題で翻訳も出ています。

物語形式で、中間管理職の新しく入ったばかりの社員が会社のトップレベルの人々からトレーニングを受ける様子が書かれていて、その過程で読者も「何が人間関係を難しくしていて、それを改善するためにどうすればいいのか」を学んでゆくようになっています。エッセンスをまとめれば、人が他人を人間として見ることなく、物として対峙し、その人を助けようという気持ちを持てない、あるいは持ってもそれを実行に移さない時、人は箱に入った状態、つまり自己欺瞞に陥っているという説が詳しく説明されています。会社のような組織で、多くの社員が自己欺瞞に陥っている状態で助けあわないようではベストな結果は出せないわけで、そこで人々が「箱」から抜け出す必要がある訳です。

読み終わってみて、正直な感想は、理解はできても実行するのは難しいなー、でした。この物語では、この会社は全社的にこういう考え方を実践するよう取り組んでいて、実際、アメリカの有名どころの会社がThe Arbinger Instituteを呼んで社員のトレーニングをやったりしているそうですが、そうでない場合、つまり自分だけが「自己欺瞞に陥らず、他人を助けよう」と思ってもうまくいくとはあまり思えないのです。ただ、少なくとも、こういう考え方を持って他人に接すれば、自分のストレスを減らすことはできると思います。この本で言っているように、他人のあり方を批判するところからは何も生まれてこない訳で、他人を理解し、助けようとして初めて、ポジティブな変化が生まれる可能性が出てくる訳ですから。しかし、助けたいとどうしても思えないような人がいるのも事実で、それは自分が相当頑丈な箱に入ってしまっているということなんでしょうけど…。

それにしても、最近出ているこの分野の本は、人間の感情や直感といった、一昔前であれば一笑に付されてしまいそうなことをとても真剣に扱っているものが多いように感じます。今呼んでいる、交渉術では大御所のRoger Fisherがハーバード大のDaniel Shapiroと共著で書いた"Beyond Reason - Using Emotions as You Negotiate"(「新ハーバード交渉術:論理と感情をどう生かすか」という邦題で翻訳も出ています)も人間の感情がいかにビジネスをはじめいろいろな交渉の場で重要かを解いています。昔心理学にも興味があった私としては、とても面白いなあ、と思います。

異常気象?2007/01/20 22:15

昨日から突然、暖かくなり、トリノはまるで春みたいです。一昨日まではどんよりした曇りの日ばかりで、朝でも暗い感じだったのですが。昨日の夕方、暖房は入っているけど窓を開け放した状態でオフィスの気温は24度でした!そういえば、数日前は北ヨーロッパは大嵐でフライトのキャンセルが沢山出て大変でしたよね。一体どうなっているんでしょう?

そんな中、トリノでは今週からユニバーシアードが行われています。大学間でのオリンピックみたいなもの、と言ったらいいのでしょうか。実はよく知らないのですが。街では去年のオリンピックの時に使われていたいろいろな飾りが蛍光黄緑色(オリンピックの時は赤でした)へ塗り直されています。二番煎じってこういうことですか?でも、今年は雪がなくて大変みたいです。例年に比べたら、ほんとに暖冬で、寒いの苦手な私としてはありがたいです。もう少し本格的に暖かくなったら、また自転車通勤を再開しようと思っています。

「七歳までは夢の中—親だからできる幼児期のシュタイナー教育」by 松井るり子2007/01/21 23:30

育児書らしきものはほとんど読まずにここまできたのですが、たまには読んでみようと思い、前から興味のあったシュタイナー教育に関するものを買うことにしました。といっても、シュタイナー自身が書いたものは難しそうだし、そんなにまじめに勉強するつもりもないので、入門書としてよさそうな本を選びました。

著者の松井るり子さんは子供をアメリカのシュタイナー学校に1年間通わせた経験をもとにこの本を書きました。読んでみて、シュタイナー教育の一番大切なポイントの一つは、「親が幸せでいて、季節の移り変わりを楽しむような心の余裕を持って子供に接することが、子供の教育にとって何よりも大事」ということじゃないかと思いました。布人形などのシュタイナー教育でよく使われる物や遊びも、結局はこのフィロソフィーの体現のためにあるのではないでしょうか。

「7歳までは知育教育をしない」というのも面白い考え方だと思います。確かに、長い人生、1・2年、字を読めるようになるのが人より早かったところで、人格形成にいいとも思えません。幼児期は、子供をあまり目覚めさせないように、とにかく暖かくつつみこむように育てるというのがシュタイナーの思想ですが、そのことによって、自分は守られているという強い安心感のある子供が育つような気がします。

「子供をよく見れば、どういうふうに育ててもらいたがっているかわかる」というのもはっとさせられる考え方です。そんなふうに思ったことはなかった気がします。ピーターに「りつはジュリに甘すぎる」といつも言われるので、どうやって厳しくしつけるか、ということばかり考えていて、ジュリがどう育ててもらいたがっているかなんて考えないできたように思います。

この本を読んでみて、ジュリは毎日4カ国語が話される環境で育って大丈夫だろうか、とか、いつになったらおむつがとれるんだろう、とかいう心配が些細なことに思えてきました。大事なのは、人間らしい感情を持った大人に育つことで、そのためには、今の時点ではとにかく沢山かわいがって愛情を与えていくことが大切なのだと思います。そういえば、年末に白浜の灯台で会ったおばさんが「今のうちにかわいがれるだけかわいがったらいいんですよ」と言ってくれました。シュタイナーなんてドイツの哲学者を持ち込まなくても、経験豊かな親であれば、誰でも思うことなのかもしれません。

なかなか楽しんで読めたので、今度はイタリアの有名な教育者、モンテッソーリに関する本も読んでみたいなあと思います。

今年のバケーション・プラン2007/01/26 19:23

周りを見回すと私たちほど旅行しまくっている人々も少ないような気がするのですが、今年も着々とバケーションの準備を進めています。普段の生活であまり贅沢をしないようにしている分、旅行にお金を使っているのですけど。今週は、4月のイースターにジャマイカへ行くための航空券を買いました!ジャマイカに住んでいるピーターの友達を通じて、ファミリー向けのリゾートも予約してもらいました。飛行機はマドリッドとマイアミ経由です。ジャマイカに行くのは初めてだし、カリブ海も久しぶりなので、とても楽しみです。

一方、夏は8月に3週間ほどオーストリアの田舎をまわろうかと計画中。私は今年前半は出張もいくつかあるし、夏はとにかくのんびりしたいので、飛行機に乗らずに車で移動できるこのプランはなかなか魅力的です。去年のイースターもオーストリアへ行ったのですが、とても楽しかったし。1カ所に1週間ずつぐらい滞在して、ゆっくり過ごしたいと思います。前回と同じく、ファームステイで、ジュリウスが動物にふれあえるような所で過ごせたらと思っています。

この他に、イタリア国内としては、今年はコモ湖に行ってみたいなあ。それから近場ではフランスのニースやモンテカルロも行ってみたいです。1年間、どんなところを旅できるか、楽しみです。

Terrible Two?2007/01/27 23:58

最近のジュリウスは、ちょっと手に負えないことが多くて困っている。きっと最近熱を出したり、風邪をひいたりして体調がよくなかったこともあるのだろうけど、ちょっとしたことで怒って床に寝転がって泣く。前からやっていたことだけど、最近は特にひどい。私たちが「だめ」とか「ノー!」とか言うと、怖い顔でぶったりつねったりしてくる。きっと言葉でいろいろ説明できないもどかしさがあるんだろうけど、保育園でもお友達をぶったりしてるのかなー、と思うとちょっと心配。

言うことをきかないと、仕方なく無理矢理着替えさせたり、お風呂に入れたりしなくてはならないけど、最近は彼の力もすごくて、私にはどうしようもできないこともある。3歳になったら、もうちょっと聞き分けができるようになるのかなー?

それでも、機嫌のいい時はほんとにかわいくて、もっとジュリウスと時間を過ごせたらな、と思ってしまいます。やっぱり親ばかですね…。

日本での女性の立場って?2007/01/28 23:57

久々にインターネットで日本の新聞を見たら、気になる記事が2つあった。1つは「『女性は子ども産む機械』柳沢厚労相、少子化巡り発言」というので、もう1つは「老後に夫と同居→妻の死亡確率2倍」というもの。

最初の柳沢厚労相の発言については、あきれるというか何と言うか、言葉もありません。厚労相になる人がこんな意識じゃ、少子化どうこうという以前の問題でしょう。さらに驚くのが、その場で抗議をした人はいなかったということ。厚労相みたいな「えらい」人を批判するのはタブーなのか、それとも女性を機械呼ばわりすることをおかしいと思える常識のある人がいなかったのか?全く持ってなぞです。柳沢氏は「女性への差別意識は全くない」とおっしゃっているそうですが、それじゃあきっと彼の「差別意識」の定義は、世間の常識とは違うと言わざるをえません。

2番目のニュースは愛媛県の藤本医長という方の調査によれば、60歳から84歳の女性は夫と同居していると死ぬ確率が約2倍高くなるということ。前のニュースとからめて考えると、なんだか寒いものを感じます。日本人男性は、女性は子供を産み、夫の世話をするために生きてると思っているみたいに見えてしまうんですけど、気のせいだと思いたい…。

海外に住んでいて、日本での女性の立場の話題になる度、日本で働いていたときのひどい差別の話をしつつも、最後はいつも「でもね、最近はどんどん女性の立場も変わってると思います。なにしろもうしばらく日本に住んでないので、私が知らない変化があるんだと思います。」とかって言うのだけど、どうなんでしょう。希望は捨てずにいたいものですが。