夏休みパート1その4:ダリ劇場・美術館2009/07/21 23:30

ラ・スカラに来て4日目、ビーチに行くにはお天気があまりよくなかったので、ラ・スカラからフランス国境の方へ少し内陸に入った町、Figueresにあるダリ劇場・美術館に行ってみました。この美術館、スペインでは一番訪れる人が多い美術館のうちの一つだそうです。

着いてみるとさすがに沢山人がいて、チケットを買う列もかなり長かったです。しかし外観からして既にかなりエキセントリック。建物の屋根には巨大な卵の形をしたものがいくつも乗っかっているし、正面の建物の壁の高い所にいくつも立っている人間の彫刻は、皆頭に金色のフランスパンのようなものをのせています。なんだかディズニーランドのアトラクションに並んでいるような気分になってきました。

入ってすぐの中庭には、Rainy Taxiという題名の作品(というか空間)があり、黒い車(キャデラック)の上にダリの奥さんだったガラをイメージしたという像が立っていて、そのさらに上には公園の湖等に浮かんでいそうなサイズの黄色いボートがあります。車の中には3人のマネキン人形があり、スプリンクラーのような仕掛けがあって、マネキンは少し濡れているような感じなのです。よく見ると、車のタイヤの近くにゲームセンターのゲームにあるようなコインを入れる箱がついていて、「1ユーロ」と書いてあります。私は1ユーロ入れませんでしたけど、きっとここにお金を入れると車の中に水が入るような仕組みになっているのではないかなー、と思ったのですが、どうでしょう。他にもコインを入れると動くという作品がいくつかありました。

この美術館は、ダリが14歳の時に初めての展覧会を開いた劇場跡に建てられたということで、だから「劇場・美術館」な訳ですが、加えて、ダリはこの空間を「美術館」というふうに定義したくなく、見る人が自分なりに好きなようにシュールリアリストな経験を創造して欲しい、という風に言っていたそうです。そういえば、中の作品にもキャプションが付いていないものがありました。

印象的だったのはダリの奥さんのガラの絵が沢山あったこと。彼女はいろいろ他のアーティストとも交流があり、業界(?)では知られた人物だったようです。ダリは彼女のためにお城を買って、彼女がそこで愛人と一緒に過ごすことを許可していた(又は奨励していた)とか。不思議な関係です…。ガラはこのお城に埋葬されていますが、ダリの棺は彼の希望通りにこの劇場・美術館の中にあります。

中には絵だけでなく、いろいろなインスタレーションがあり、ジュリはとてもおもしろがって見ていました。子供にしてみたら、ダリの作品ってそんなに異様には感じないのかもしれません。ジュリが特に気に入っていたは、新しく設置されたらしいジュエリーの展示。今まで知りませんでしたが、ダリはジュエリーもデザインしていたということです。ジュエリーをつくるって、かなり裕福じゃないとできないですよね…。ジュリは特にハートの形をしたジュエリーの中に心臓のような部分があり、それが脈を打っているように動いている、というのがお気に入りでした。

今までダリって特に好きなアーティストではなかったのですが、ここに来てみて、ここまで独自の道を歩んでいけるのはすごい!と思ってしまいました。(続)

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