夏休みパート1その1:トリノからアルルまで2009/07/17 22:19

昨日、1番目の夏休み旅行から帰ってきました。今回も盛り沢山で、同時にとてもリラックスできて、思いっきりリフレッシュできました。これから2週間、2番目の旅行に出発するまで、ぼちぼちと旅行記を書こうと思います。

2週間前の金曜日の午後、トリノを出発し、とりあえずフランスの国境近くのヴェンティミリアで1泊。ここには初めて来ましたが、あまり観光地っぽくなくて、地元の人が来るビーチという雰囲気がよかったです。ホテルの人のお勧めのレストランでおいしいシーフードのディナーをしてから、ビーチで釣りをしている人々を見物しながらぶらぶらと歩きまわりました。海風が気持ちよくて、既にバケーション気分一杯の夜でした。

翌日、ピーターが高速に乗らずに海岸沿いを走ろう!というので、モナコやニースを通って、入り組んだ海沿いの道路を走りました。しばらくして、道路の両脇にマラソンの中継で見るようなバナーがあるのに気がつき、何だろう?とよく見てみると、あの有名な自転車レース、ツール・ド・フランスのためのものではないですか!びっくりしました。明日のレースのための準備のようだったので、私たちが1日遅く来たら、きっとこのルートは走れなかっただろうと思います。

お昼前に最初の目的地、Fondation Maeght(http://www.fondation-maeght.com/)という美術館に到着。ここはシャガール、ジャコメッティ、ミロ等のコレクションが充実していて、私は特に「ミロのラビリンス」と呼ばれるミロの彫刻が沢山あるお庭を見てみたかったのです。普段、私たちはジュリが小さいこともあり、あまり美術館には行かないのですが、行ってみてとてもよかったです。ジュリもミロの絵には馴染んでいるし、彫刻もおもしろがって見ていました。写真もミロの作品。

軽くお昼を食べてから、今度は高速に乗ってアルルまで。アルルは昔からゴッホの絵に出て来るので憧れていたのです。着いてみると、ちょっとすたれた観光地という感じ。お天気が悪かったのもあるのかもしれませんが…。有名なローマの劇場跡に行ってみましたが、何かイベントの準備をしているみたいで、中には入れませんでした。小さな路地には、日本人の女の子が好きそうなかわいい雑貨屋さんが沢山あって、もっと時間をかけて見たかったです。

泊まったホテルの人はとても感じがよくて、自分が旦那さんとよく行くレストラン、'Au brin du thym'という所をお勧めしてくれました。観光客がよく行く所は夏の間しかやっていないけど、ここは冬もやってる、という太鼓判を押してくれただけのことはあり、印象に残るレストランでした。偶然隣に座ったカップルがドイツ人&フランス人で、いろいろとおしゃべりしたのも楽しかったです。前から飲んでみたいと思っていたカシス地方の白ワインも美味でした…。小さなレストランなので、予約がないと入れなくて、あきらめて出て行く人を沢山見ました。フランスは1泊だけだったので、思い出に残るディナーができてよかったです。(続)

夏休みパート1その2:アルルからコスタ・ブラヴァへ2009/07/18 22:58

アルルを出発して、どこかもう1つ南仏の観光スポットを見てからスペインへ向かおうということで、前から気になっていた'Pont du Gard'というローマ帝国時代に建てられた水道橋を見に行くことにしました。

途中、果物を売るスタンドが並んだ畑の中の道を通り、橋に近づいた所で「橋の右側へ」と「橋の左側へ」というサインがありました。大きな橋なので、両側からアクセスできるようになっているという訳です。駐車場に車を停めてから橋の方へ歩いていくと、見えてきたのは本当に巨大な石橋。一番長いところで275メートルあるそうです。セメント等なしで紀元前にこれだけのものをつくる技術があったというのは改めて驚きです。

別の意味で驚いたのは、ここが地元の人々のレジャースポットになっているみたいだったこと。橋がかかっている河岸には、日光浴ができるような設備があり、食べ物や飲み物を沢山持って、ピクニックをしに来ている人が沢山いました。河で泳いでいる人もいたし。ユネスコ世界遺産を見ながらのんびり、ってなんか贅沢です。次回来る時には私たちもピクニックの用意をして来ようと思いました。

その後、高速にのって一路コスタ・ブラヴァへ。今回私たちが滞在することにしたのは、コスタ・ブラヴァの長い海岸線の中でも割とマイナーなラ・スカラという町。コスタ・ブラヴァというと、有名になりすぎて超観光地になってしまったビーチもかなりあるそうですが。ビーチからはちょっと遠い(歩いたら25分くらい?)の所にある自炊もできるアパートメント・ホテルに泊まりました。とても新しい所のようで、敷地内にはまだ建設途中の建物もありました。

この日は、近くのスーパーマーケットでいろいろ買い物をして夕食をつくりました。前から試してみたかったスペイン版シャンパンのカヴァも買いましたが、安いのにおいしい!1本2ユーロ以下とかで買えてしまうのです…。私はフランスのシャンパンとの違いまではわからないので、これで十分でした。(続)

最近読んだ本:'Blink' by Malcolm Gladwell2009/07/18 23:34

まだ旅行記の途中ですが、旅行中に読んだ本のことを忘れないうちに書いておこうと思いました。この本は、私の上司が面白かったと言っていたので買ってみたのですが、ぐんぐんひきつけられて読めました。Malcolm Gladwellはアメリカの有名なジャーナリストで、前述したTED.comで彼のトークのビデオを見たので知っていましたが、本を読むのは初めてでした。

本の内容は、簡単に言ってしまえば、題名の「まばたき」をするぐらいの瞬間に、誰もが無意識のうちに行っている判断がどれほどパワフルかということについて、美術、医療、心理学、マーケティング、スポーツ、演劇、犯罪、戦争などいろいろな切り口から実証していく、という感じでしょうか。とにかく沢山の面白い例が出てきて、読んでいて飽きません。彼のスタイルなのでしょうが、彼が話すのを聞いているような感じの軽くてユーモアに富んだ文章がとっても気に入りました。特に面白いと思ったのが、この無意識の判断(又は直感)についてポジティブな例とネガティブな例が同じぐらい出て来るということです。つまり、これは安直な「もっと直感を信じましょう」というような本ではなくて、直感を信じていい時と、時間をかけた細かな分析が大事な時があり、そのバランスが大事、というメッセージが含まれてます。同時に、今の社会、情報を持てば持つほど的確な意思決定ができる、という「神話」があるようだけれど、実は的確な判断に必要な情報というのは限られている、という話も繰り返し出てきます。例えば、アメリカのある病院では、胸痛を訴えて救急室に来る人を診断するのに、4つの限られた質問に関するデータのみで対応を決めることにして、迅速で効果的なサービスを実現できるようになったそうです。普段情報の洪水にさらされている身として、何が大事な情報かを見極めることの大切さを改めて考えさせられました。

一つやや不満だったのが、出て来る例がほとんどアメリカの話だったこと。このテーマでは世界各国でもっといろいろな例があると思うのですけど。特に、人種に関する話が多かったので、アメリカではやっぱり人種問題って大きいんだなあ、と思わされました。アメリカでは黒人と犯罪を結びつけることを、ほとんどの人が無意識にしている、というのがリサーチでも証明されているという話が出てきます。Malcolm Gladwell自身、お母さんがジャマイカ出身なので、肌は白っぽいのですが、髪をのばすとアフロみたいになり、髪をのばし始めてから、以前よりずっと警察に止められたり、飛行場でセキュリティー・チェックをされたりということが増えたそうです。そこまでいかなくても、人種、性別、年齢による偏見というのは、多くの人が無意識のうちに持っていると言えるでしょう。本の中には、車のセールスに関する例で、この点が説明されていますが、私自身、ピーターと一緒に初対面の人に会うと、多くの人が彼が主な稼ぎ手だという前提で質問してくる、というような状況はよくあるので、感覚的によくわかります。大きな白人男性と小さなアジア人女性がいると、女性の方が稼ぎ手とはなかなか思えないみたいです…。

それと、この本に出て来る数秒の間に観察できる表情や態度の変化を読み取ることの大切さ、自分の中に無意識にある偏見に気をつけること、等はファシリテーションの仕事にも直接通じるので、その意味でも勉強になりました。

この本の面白さがあまりうまく説明できたかわかりませんが、私はとても楽しめました。邦訳は「第1感『最初の2秒』の『なんとなく』が正しい」というちょっと訳のわからん題名で光文社から出ています。これって誤訳だと思うのですけど。上に書いたように、Gladwellは「なんとなく」が正しいと言いたい訳では全然なく、正しいこともあるし間違っていることもある、いづれにせよ無意識のうちにする判断力というのは私たちが思っているよりパワフルで、これをもっと活用できれば的確な意思決定ができる、ということを言いたいのだと思います。

Gladwellがこの本の前に書いた'The Tipping Point'という本もかなり面白そうなので、読んでみたいと思います。

夏休みパート1その3:ラ・スカラで2009/07/20 21:46

ラ・スカラに着いた翌日、早速ビーチへと繰り出しました。いくつかあるビーチの中でも、一番長い海岸線があるRiellsというビーチへ。カリブ海なんかと比べてしまうと全然海はきれいじゃないですが、遠浅だったので、ジュリが遊ぶにはよいビーチでした。朝早いうちはかなり空いていたのですが、しばらくするとかなり人が多くなってきました。ここはトップレスの女性もかなりいたのですが、正直なところ見ていたいと思えないような胸の人しかトップレスにはなっていませんでした…。まあ、見られるとか何とかいうより、本人が開放感を持てるというのが大事なのかな、と思いますけど。ジュリはビーチで遊ぶのが大好きなので、よく疲れないなーと親があきれるほど、熱中して遊んでいました。

この日は、またピーターがステーキの夕食をつくった、のだったと思います。(記憶があいまい…。)

その翌日は、あいにく天気が悪かったので、とりあえずビーチの用意をして、ラ・スカラの旧市街へ行ってみることにしました。小さな町で、観光地っぽくなりすぎていないところがよかったです。2つのミニ・ビーチも通りました。その後、今度は少し離れた所にあるMontgoというビーチに行ってみることにしました。このビーチの周りには沢山キャンプ場があって、ビーチに着ていたのもドイツ人やフランス人の家族連れが多いような感じがしました。このビーチの方がやや小さめで、静かな雰囲気があり、私たちは気に入りました。ちょうど晴れてきたので、ここでしばらくのんびりすることに。ジュリはまた砂と水で遊びまくっていました。

ランチはこのビーチの側のレストランで、私はサーディン(イワシ)のグリル、ピーターはイカリングのフライを注文しましたが、どちらもとってもおいしかったです。イワシなんて、日本では缶詰でしか食べないような気がしますが、新鮮なのをグリルしたのはとてもおいしかったです。ちなみにラ・スカラはサーディンとアンチョビで有名だとか。

ビーチを午後早めに切り上げ、ホテルのプールでまたしばらくジュリを遊ばせてのんびり過ごしてから、夕食は「El Roser 2」という、多分ラ・スカラではトップクラスと思われるレストランへ行きました。後から知ったのですが、スペインの王様がバルセロナ・オリンピックの時にここで食事したとか。お試しメニューがとてもおいしそうだったので、私もピーターもそのコースに。イチゴの味がするガスパッチョ(冷たい野菜のスープ)に始まって3種類の前菜。どれもおいしかったです。ここでイタリアだとプリミ(リゾットかパスタ)が出るのですが、スペインではプリミはなしで、2種類のメイン。最初はアンコウとエビ等のシーフードのお料理で、次は黒トリュフの削ったのがかかったステーキ。この黒トリュフは、黒トリュフとは思えないほど香り高かったです。(普通は白トリュフの方が香りはいい、と思います。)最後はデザートが2種類とクッキー&チョコレートの盛り合わせ。相当お腹一杯になりました。

レストランを出る時に気が付いたのですが、受付のあたりにいろいろ雑誌がおいてあり、いくつかの雑誌にはこのレストランのシェフとソムリエの写真がでかでかとのっていました。2人ともこの業界では有名なのかもしれません。

おいしい料理とカヴァを頂き、ジュリもいい子にしてくれたので、大満足な夕食でした。(続)

夏休みパート1その4:ダリ劇場・美術館2009/07/21 23:30

ラ・スカラに来て4日目、ビーチに行くにはお天気があまりよくなかったので、ラ・スカラからフランス国境の方へ少し内陸に入った町、Figueresにあるダリ劇場・美術館に行ってみました。この美術館、スペインでは一番訪れる人が多い美術館のうちの一つだそうです。

着いてみるとさすがに沢山人がいて、チケットを買う列もかなり長かったです。しかし外観からして既にかなりエキセントリック。建物の屋根には巨大な卵の形をしたものがいくつも乗っかっているし、正面の建物の壁の高い所にいくつも立っている人間の彫刻は、皆頭に金色のフランスパンのようなものをのせています。なんだかディズニーランドのアトラクションに並んでいるような気分になってきました。

入ってすぐの中庭には、Rainy Taxiという題名の作品(というか空間)があり、黒い車(キャデラック)の上にダリの奥さんだったガラをイメージしたという像が立っていて、そのさらに上には公園の湖等に浮かんでいそうなサイズの黄色いボートがあります。車の中には3人のマネキン人形があり、スプリンクラーのような仕掛けがあって、マネキンは少し濡れているような感じなのです。よく見ると、車のタイヤの近くにゲームセンターのゲームにあるようなコインを入れる箱がついていて、「1ユーロ」と書いてあります。私は1ユーロ入れませんでしたけど、きっとここにお金を入れると車の中に水が入るような仕組みになっているのではないかなー、と思ったのですが、どうでしょう。他にもコインを入れると動くという作品がいくつかありました。

この美術館は、ダリが14歳の時に初めての展覧会を開いた劇場跡に建てられたということで、だから「劇場・美術館」な訳ですが、加えて、ダリはこの空間を「美術館」というふうに定義したくなく、見る人が自分なりに好きなようにシュールリアリストな経験を創造して欲しい、という風に言っていたそうです。そういえば、中の作品にもキャプションが付いていないものがありました。

印象的だったのはダリの奥さんのガラの絵が沢山あったこと。彼女はいろいろ他のアーティストとも交流があり、業界(?)では知られた人物だったようです。ダリは彼女のためにお城を買って、彼女がそこで愛人と一緒に過ごすことを許可していた(又は奨励していた)とか。不思議な関係です…。ガラはこのお城に埋葬されていますが、ダリの棺は彼の希望通りにこの劇場・美術館の中にあります。

中には絵だけでなく、いろいろなインスタレーションがあり、ジュリはとてもおもしろがって見ていました。子供にしてみたら、ダリの作品ってそんなに異様には感じないのかもしれません。ジュリが特に気に入っていたは、新しく設置されたらしいジュエリーの展示。今まで知りませんでしたが、ダリはジュエリーもデザインしていたということです。ジュエリーをつくるって、かなり裕福じゃないとできないですよね…。ジュリは特にハートの形をしたジュエリーの中に心臓のような部分があり、それが脈を打っているように動いている、というのがお気に入りでした。

今までダリって特に好きなアーティストではなかったのですが、ここに来てみて、ここまで独自の道を歩んでいけるのはすごい!と思ってしまいました。(続)

夏休みパート1その5:ラ・スカラからバルセロナへ2009/07/22 18:11

ラ・スカラでの最終日はまた晴れたので、数日前に行ったMontgoのビーチでのんびり過ごしました。ランチにはまたおいしいシーフードを堪能して満足。この1週間でジュリウスはずいぶん日に焼けました!

翌日、ラ・スカラからバルセロナへ移動。ピーターがまた高速に乗らずに海岸線を行こうというので、コスタ・ブラヴァの有名なビーチを見ながら走りました。途中、ピーターが30年ぐらい前に家族で来たというホテルにも行ってみました。とても素敵なロケーションで、プライベート・ビーチ付き。私たちにはちょっと手が出ないようなお値段でしたが…。途中、Blanesでギリシャ料理のランチをし、午後遅くバルセロナ郊外にあるホテルに到着しました。

さて、夕食に行こう、と思ってから知ったのが、スペイン人って夕食をとっても遅く食べる、ということ。大体レストランは8時半か9時ぐらいにしか開かない、と言われました。イタリアに引っ越してきた時、レストランが7時半か8時にしか開かないのを知って、遅いなあー、と思いましたが、それよりさらに遅い。どこか9時前に開いている所で、近所にある所は?とホテルの人に聞いたら、「Tomás de Sarrià 」を勧められました。とてもローカルなバーだと言われたのですが、言ってみるとまさに食堂という感じ。そして95%の人が食べているのがpatatas bravasという、要するにフライド・ポテトにマヨネーズのようなソースがかかったもの(写真)。他の物も一応あるのですが、ビールにこのポテトというのがここでのお決まりのメニューという感じでした。私たちも同じものとアンチョビ等を注文し、ローカルに混じって、バルセロナの夕べを楽しみました。最初はこんな油っぽいもの?と思ったのですが、ポテトはちょっとスパイシーでやみつきになりそうな味でした。

これで夕食というのは物足りなかったのですが、もう1つレストランに入るほどお腹もすいていなかったので、スーパーで少し買い物をしてからホテルに戻りました。(続)

夏休みパート1その6:ガウディ・デイ2009/07/23 21:03

バルセロナに着いた翌日、まずは有名なアントニオ・ガウディの建築を見に行くことにしました。電車と地下鉄を使って行くかどうか迷ったのですが、ピーターは公共交通が苦手というのもあり、日曜日だから駐車するにもそれほど困らないだろう、と思って車で行くことにしました。

まずは多分ガウディの建築でも一番有名だと思われる、サグラダ・ファミリアへ。信心深かったガウディがライフワークとした教会(今でも建設中)として知られています。運良く駐車スペースをすぐ側に見つけて、近づいてみるとすごいスケール。ちょっとこの世のものとは思えないような迫力があります。中にはいろうか、と思って気がついたのがチケットを買う人のものすごい列。1時間以上待ちそうな感じだったので、あきらめることにしました。でも、外から見られただけでも、よかったです。

次に移動したのが、ガウディの代表作の一つ「Casa Batlló(バッリョ邸)」(写真)。世界遺産にも登録されています。外観だけでもとっても素敵で、おとぎの国の建物のようです。ガウディは1904年から1906年にかけて、既にあった建物を改装してこの邸宅をつくりました。ここではチケットを買う人の列もそれほど長くなかったので、入ってみることにしました。オーディオ・ガイドもついていたので、ガイドを聞きながらゆっくりまわりました。自然をイメージしたと言われる、曲線を沢山使ったデザインは今見ても斬新。こんなデザインのお家に住めたらいいなー、と思ってしまいました。ブルーっぽい色のステンドグラスは特に素敵でした。

ジュリウスは最初は大人しく私たちに着いてきていたのですが、途中で事件がありました。2階のお土産屋さんを見ていたところ、ジュリが品物のうちの一つを落として壊してしまったのです。とっさに隠そうと思ったのか、ジュリは割れたガラスを触って、指を少し怪我してしまいました。怪我とガラスが割れたショックとで、ジュリは店を飛び出して泣きはじめ…。お店の人はとても親切で、すぐ消毒してバンドエードを貼ってくれて、しかもジュリが壊した物の分を払えとも言いませんでした。まあ、5ユーロだけだったですけど。

最後は最上階で、洗濯場だったというクジラのお腹の中のような不思議なデザインの部屋を見て、屋上のこれまた不思議な煙突や屋根を見てから下に降りて来ました。それほど大きな建物ではないですけど、いろいろ見所があって楽しめました。

このすぐ近くにあった「タパ・タパ」というタパス屋さんでお昼をしてから、せっかくなので、割と近くにあるCasa Milàにも行ってみることにしました。これもユネスコ世界遺産で、有名な建物ですが、これまたすごい列だったので、1階にあるお土産屋さんだけ見ました。ここにあった本で、子供向けのガウディの本があり、ガウディが路面電車に轢かれ、あまりにみすぼらしい格好だったので、公立病院に入れられ、その後人々がガウディと知って他の病院に移そうとしたところ彼は「私は貧しい人々と一緒にいたい、ここが私の場所だ」と言って移動するのを拒んだという話を知りました。その3日後に彼は亡くなり、お墓はサグラダ・ファミリアの中にあるということです。

ミロ、ダリ、ガウディとカタルーニャ出身のアーティストの作品にたっぷり触れられたのはこの休暇で特によかったことの1つでした。(続)

夏休みパート1その7:モンセラート2009/07/23 22:53

バルセロナ2日目は、ちょっと足を伸ばして郊外のモンセラートに行ってみることに。ここには黒いマリア像で有名な修道院があり、うちの母が去年スペイン旅行をした時に、特に印象的だと言っていました。ピーターは子供の時、コスタ・ブラヴァに来た時にそこから行ったことがある、とのこと。

「モンセラート」には「のこぎり山」という意味もあるそうですが、この修道院は1,235mのまさにのこぎりのような山に囲まれるようにしてあります。私たちは「当然どこかから登山電車かケーブルカーに乗るんだろう」と思っていたのですが、「モンセラートへ」という道路標示をたどって行くと、車で上まで行くこともできるということがわかりました。

カフェテリアで遅めの朝食をしてから、ピーターが修道院のある所から登山電車で更に上に上がれるというのを発見し、まずは上がってみることに。駅に行ってみると、そこから下に降りて行く電車もあることがわかり、どちらも行けるコンボ・チケットを買いました。上がってみると、ものすごい眺め!お天気がよかったのもありますが、青空にのこぎり山の岩が映えて、壮観でした。上がってみるまで知りませんでしたが、ここからは3つのハイキング・ルートがあり、眺めのいい道をかなり遠くまで行けそうな感じ。写真はそのルートの入り口です。私たちはハイキングの用意をしてこなかったので、あきらめましたが、今度来た時にはぜひここからハイキングしたいと思いました。3つのルートのうちの1つは、ここの修道院の黒いマリア像が発見された教会に行くみたいでした。

降りて来て、今度は下の方に行ってみると、そこからも岩伝いに眺めのいいルートがありました。私たちは途中まで行ってみましたが、どうやら最後までいくとまた違う教会があるようでした。

そしていよいよ修道院。この修道院は最初11世紀に建てられ、その後19世紀にフランス軍に破壊されてから、再建されたそうです。中はとても迫力があり、きれいでした。マリア像を見るためのものと思われる列があったので、並び始めました。せいぜい10分ぐらい並んだら見られるのだろう、と思いきや、列は教会の建物の外から一番奥まで続いていて、マリア様に着くまで45分ぐらいはかかったと思います。でも、ジュリは大人しく列に並んでいました。マリア像のところまで行くと、彼女が持っているボールのようなもの(日本語で何ていうんでしょう?)の部分を触れるようになっていました。ご利益があるということなんだろうなあ、と思って、ちゃんとジュリと一緒に触ってきました。沢山後に人が待っていたので、ゆっくりと像を見る時間がなかったのが残念。

しばらく修道院の中を見たり、外を歩き回ったりしてから、カフェテリアで軽いランチをして帰途に着きました。バルセロナに来てここに来なかったらもったいない!と思えるほど、とても印象に残る場所でした。(続)

夏休みパート1その8:ラ・ランブラ&モンジュイックの丘2009/07/24 22:48

バルセロナでの最終日は、旧市街へ行ってみることに。ここには有名なラ・ランブラという目抜き通りがあり、バルセロナに来たらここに行かないと!という有名な通りらしいです。この日は電車を使ってみることにしました。駅に着くと、英語は話せないけれどとても親切な駅員さんが、3人だったら10回乗れるチケットを買った方がいいよ、と教えてくれたので、それを買いました。(4歳から大人と同じ料金のチケットがいるので、ジュリの分も買わなくてはいけなかったのでした。)

Placa Catalunyaに着き、ラ・ランブラを南に向かって歩き始めました。道路の中心が幅の広い歩行者天国になっていて、いたるところに大道芸人がいます。これを見ているだけでも楽しめるかも。加えて、なぜかペットの屋台みたいなお店がすごく沢山あり、ジュリウスはうさぎ、モルモット、亀等が売っているのを見て大興奮でした。

長いラ・ランブラを行き止まりまで行ってから、今度は側にあるゴシック地区のお店をみてまわりました。観光地っぽいお土産屋さんが多く、結局何も買いませんでしたが、ゴシック建築は素敵でした。ここでは大聖堂にも行ってみましたが、すごい迫力でした。

次はお腹がすいてきたので、ラ・ランブラをまた少し北上してすぐの所にあるマーケットへ!ここでは食事もできるとガイドブックで読んだので、期待していたのですが、規模はそれほど大きくないながらもどのお店も本当に新鮮そうな食材で溢れていました。バーのようなカウンターのある食事ができる所がいくつかあり、そのうちの一つ、シーフード専門と思われるKiosko Universalに席を取りました。写真のエビのグリルとヒラメかカレイのような魚と獅子唐みたいな野菜の炒め物を注文しました。築地市場なんかと比べたらお得度はあまり感じないお値段でしたが、さすがにおいしかったです。ジュリもよく食べました。その後、フレッシュ・フルーツのジュースを売っている果物屋さんが沢山あったので、好きなジュースを選んでデザート代わりに。これもとてもおいしかったです。

次に、今度はバルセロナが一望できるというモンジュイックの丘に行ってみることにして、地下鉄と登山電車のような電車を使って移動。この丘には美術館等、沢山見所があるらしいのですが、私たちはとりあえずケーブルカーでお城(というより要塞?)のある所まで上がってみました。さすがに素晴らしい眺めで、ガウディのサグラダ・ファミリアもしっかり見えましたし、バルセロナの港もよく見えました。お城の中を見てまわってから、ここのカフェで一休み。

ピーターが、マーケットのシーフードがあまりにおいしかったので、せっかくだから早めの夕食をするためにもう1度マーケットに行こう!というので、そうすることに。ケーブルカーで上がった所から登山電車の駅まで歩いて降りて行きました。ラ・ランブラに戻って来て、マーケットに行ってみると、なんとお店は閉まっていました!朝用意したものが売り切れたらおしまい、という感じなのかもしれません。

がっくりはしましたが、ピーターがスペイン人の同僚お勧めのタパスがおいしいレストランが近くにあることを思い出し、そこに行ってみることに。2日前に行った「タパ・タパ」に比べると、メニューは少なかったですが、とてもクオリティーの高いタパスでした。私たちがお店に入った時はすいていたのですが、しばらくするとどんどん人が入って来てすぐ満席になりました。隣のテーブルでは、前述のポテトをおつまみにビールを飲んでいる人がいました。タパスって、きっとイタリアのアペリティーボのような感じなんだろうと思います。両方とも、ディナーの前に食べる&飲むものですが、それにしてはしっかりお腹一杯になります。

バルセロナでの最終日は本当によく歩きました!私もピーターも足や腰が痛くなったぐらい。夜まで元気一杯だったのはジュリウスだけでした。(続)

夏休みパート1その9:ジュリウスの作品2009/07/25 09:43

モンジュイックの丘で、ケーブルカーで上がった所にあるお城から登山電車の駅まで歩いて降りた時、ジュリウスは道すがら沢山の草や花や木の実、ペットボトルのキャップ等を集めていました。それで、ホテルに帰って来てからつくったのがこの写真。タイトルは「てんとう虫の家」です。

ジュリウスは普段から外で取ってきた草や花で何かをつくるのが好きなのですが、これはちょっとアートと言えると思うのですけど。「禅」な感じもしますし、ミロやダリやガウディの影響も見られる?なんて思ってしまうのはやはり親の欲目か…。

この写真は翌朝撮ったものなので、花がしおれていますが、前の日の夜はもっときれいでした。(続)