サマルカンド訪問:その22008/07/16 21:44

次に訪れたのは「ビビ・ハニム廟」。ビビ・ハニムというのは、14世紀に中央アジアから中東地域にかけて大帝国をつくったティムールの奥さんの名前です。ティムールが遠征に行っている間に、ビビ・ハニムは彼が帰って来た時にびっくりさせようと思って、建設を命じたモスクだという話。当時イスラム圏では、最大のモスクだったそうです。

中に入ると、ティムール帝国の地図等があり、そういえば世界史で習ったような気がするけど、ティムール帝国のことなんてほとんど知らなかったなあ、と思いました。この地域って、ヨーロッパ史やアジア史のはざまで忘れられやすいのかも。少なくとも私はあまりちゃんと理解していないです…。ティムール帝国は、ティムールの死後急速に力をなくしたのですが、王族の一人、バーブルは現在のアフガニスタンからインドに入ってムガール帝国を立てたりしたそうで。どうりで、サマルカンドのイスラム建築とインドのタージ・マハルが似たところがある訳!こういう歴史的なつながりを発見するのってすごく面白いと思います。

ビビ・ハニム廟には、ロマンチック(?)な伝説があります。ガイドブックに書いてあったこの伝説の話をガイドさんにすると、彼女も知っている、と話してくれました。ビビ・ハニムがこのモスクの建設を依頼した建築家が、彼女に恋をしてしまい、どうしてもキスさせて欲しいと言ったそうです。彼女が仕方なく応じると、この建築家、彼女にキスマークをつけてしまいました。帰って来たティムールはこれを見て激怒し、建築家は処刑され、すべての女性は今後ヴェールをかぶるようにと言い渡したとのこと。

ところで、今ビビ・ハニム廟のことを調べていて、面白いブログに行き当たりました。「イスラムアート紀行」というブログ(http://orientlib.exblog.jp/)。イスラム・タイルのことが沢山のっています。ウォッカさん、タイル好きだとおっしゃっていましたよね、ぜひ見てみて下さいな。

サマルカンド訪問:その32008/07/16 21:56

グーリ・アミール廟を見て、お昼を食べてから訪れたのがシャーヒ・ズィンダ廟群。これはまた、見応えのある所でした。

シャーヒ・ズィンダ廟というのは「生ける王の墓」という意味で、伝説によれば、ムハンマドの従兄弟がここで異教徒に首を切られた際、自分の首を持って井戸に入り、そこで永遠の命を得たそうです。14世紀に、ティムールやその孫のウルグ・ベクが自分の家族等をここに埋葬したので、いくつものモスクが並ぶ今のかたちとなったそうです。門を入って、階段を上ると、参道という感じで、両側に青いモスクが立ち並んでいます。

ここのタイルは本当にきれいで、圧巻でした。でも、ガイドブックによればウズベキスタン政府の修復の仕方は、オリジナルのよさを壊してしまっているとか。ユネスコの人も怒っているという話を聞きました。そういえば、てかてかの青ペンキで塗られたようなモスクもありました。

その後、ウルグ・ベクが建てたという天文台を見に行ってから、ツアー終了。ガイドさんにお礼を行って、帰途に着きました。タシュケントにだけいたら見られなかったウズベキスタンの別の面を見られて大満足。同時に、ブハラやヒバなどの他の有名な古都もいつかぜひ見てみたい!と思いました。この地域って文字通り文化の交差点で、本当に奥深い。中央アジアのこと、もっといろいろと知りたいです。